この作品はマーベル・コミックの人気キャラクターでスパイダーマンの悪役でもある、ヴェノムとヴェノムに寄生されたエディを主人公に据えた『ヴェノム』シリーズの三作目だ。今作は宇宙を虚無で覆おうとするヌルが牢獄から脱出しようとヴェノムたちが体内に持つ牢獄を開く鍵コーデックを狙うところから始まる。
ヌルは地球外に囚われているためシンビオート・ハンターと呼ばれる四つ足の獣を地球へ送る。この怪獣はコーデックを感知して追跡するため、それらを倒そうと奮闘するというのが流れなのだが、結論を言うと今作ではヌルとは戦わない。そこが僕がこの作品から消化不良感を拭えないところなのだが、それでも、CGで表現されたヴェノムは違和感がないし、ハリウッド作品ならではの爆発カットや仲間が死んだことによって意地になり、無理にでも主人公と敵対しようとする人物たちと寄生生命体に協力的な博士の衝突などドラマとして見せようとしてくるシーンが多かった。
『ヴェノム』二作品目の『ヴェノム:レット ゼア ビー カーネイジ』と比較しても規模が拡大しており、人間からも、エイリアンからも追われるヴェノムたちの苦心の旅を臨場感のある映像で楽しむことができた。エイリアンから逃げながらもベガスでスロットマシーンに苦戦したり、ホテルの最上階で踊ったりコミックをそのまま映画にしたようで楽しい作品だった。「ラスト」とは題されているものの本当にこれで終わるのかという疑問もあるため、今後の発表に期待!









